そりゃまあ僕も

20代会社員、男。音楽、カメラ、時事ネタなどの雑記日記です

とてもつらい

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寝るときはいつも左向き

寝るときは必ず左を向いていることに最近気づいた。


厳密に言うならば、目を閉じて意識が飛ぶ瞬間、必ず左半身が下側になっている。

僕は寝つきが非常に悪い。布団に入ってからもああだこうだと思考が堂々巡りしてしまい、うだうだとしている間にようやく眠くなってくるようなタイプだ。

 

どうにか眠りを良くしようと、これまでも散々いろんなことを試した。
グリシンも試したし、お風呂で体を温めるのも試した。寝る前のスマホや本はなかなかやめられないけれど、それでも控えめにしている。

それでも、なかなか眠れない。寝るのは大好きなんだけど、眠りに落ちる瞬間が怖くて仕方がない。

 

しかし、最近になってどうやらしっかりと眠るための法則があると気づいた。


それが「左向きで寝る」である。

 

思えば、いつだって僕は左を向いて眠っていた。
どうしてかはわからないし、いつからなのかは覚えていない。
それはもしかしたら、ある時期まで僕の左には誰かがいたからなのかもしれない。
左に寝ている誰かの寝顔を見るために、右側に寝てる僕は左を向いて寝ていたのかもしれない。
それが誰だったのか僕はもう思い出せない。ただ、シングルベッドに誰かと寝ていて、左側を向いている自分の姿を想像すると、妙に懐かしい気持ちがする。ただそれだけのことだ。

 

でも、もうちょっと鮮明な記憶を掘り起こすと、僕の左には誰かよりももっと確かな存在がいた。
壁である。ベッドに面した壁。薄いコンクリートに白のビニールクロスを貼られた、壁。
数年前に引越しをしてからすっかりご無沙汰をしていたのだが、僕が長年住んだワンルームのベッドの左側には壁があった。
壁のいいところは、誰かとは違っていつも確実にそこにいる点にある。眠れない暗い部屋の中でも、手を伸ばせばそこに壁がいた。
暑い夏の夜のはよくベッドの壁に手を伸ばし、そのひんやりとした感覚を楽しんだものだった。

あの部屋で誰かと寝ていたときも、僕はいつも左側に寝ていて部屋の壁を触りながら寝ていた気がする。
隣に寝ていた誰かがそんな僕を見てどんな顔をしていたのか、ザラザラとした壁の手触りばかり頭に浮かぶきりで、やはり僕は思い出せない。

 

今の部屋のベッドは、右側の壁に寄せて設置してある。
僕はベッドの左側から横たわる。今日会ったことをひとつひとつ思い返して、なかなか寝付けない。
そのうちにいつものように左側を向いて手を伸ばす。そこにもう壁が無いとしても。
そして壁が無いとしても、僕はそれでも眠りにつく。

 

思うに、僕らが安心を得るには、そういう確かな手触りのある確かな存在が必要なのだと思う。
誰かにとってそれはぬいぐるみだし、誰かにとってそれは恋人なのかもしれない。
僕にとってそれは左を向いて寝ることであり、闇の向こうの壁の存在だった。
あるいは、安心して背中を向けられる関係の人の存在かもしれない。僕にはわからない。

 

最近、模様替えしてベッドを左側の壁に持っていけばもっとよく眠れるのではないのか、とよく考える。
それと、いつも左を向いて寝付くのに、寝癖がつくのはいつも右の後頭部なのが気になっている。

 

疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫)

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