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そりゃまあ僕も

20代会社員、男。音楽、カメラ、時事ネタなどの雑記日記です

とてもつらい

音楽と小説とカメラが好きな人の日記です。主なカテゴリ↓

電気ケトルは死んでしまった

ティファールの電気ケトルが死んだ。
白が基調の流線型のデザイン、よく見るアレだ。もう動かなくなってしまった。

もっとも、ショックは少ない。
そもそもが貰い物である。誰かの結婚式のビンゴ大会で当てたという友人が、引っ越し祝いと称して僕に2000円で売ってくれたのだ。
あれ、じゃあ貰ってねーじゃん。そういえば。押し売りされたんだった。

 

来歴はさておき、電気ケトルはいざ使ってみるととても便利だった。お湯がささっと湧くだけで、こんなにも生活に文字通り温もりが生まれるとはおもわなかった。

水道水をケトルになみなみと注いで、台座に乗せスイッチを入れる。するとケトルはキッチン台の上で音を立てて震え始める。
その震え方は、7月初めのプールの授業を僕に思い出させる。風が吹くたびにガチガチと歯を鳴らして震えていたっけ。あのときはあのまま寒さで死ぬものだと思っていた。

そんなことを考えて1分も経たないうちに、カチンとバネの伸びる音がして、ケトルのスイッチが切れる。1.2リットルの熱湯の出来上がり。
あとはコーヒーを淹れたり、麦茶を沸かしたり、カップ麺に注いだり……
何か思い立つと、すぐに湯気が立つ。いやはや本当に便利である。

 

と、ここまでが僕とケトルの昨日までの日常だった。
しかし、何度も言うように、今朝僕がいつものようにコーヒーを飲もうとしたとき、ケトルはすでに死んでしまっていた。大概の悪い知らせがそうであるように、それはあまりに突然のことだった。
僕は念のため、中身を捨てて再び注ぎ込み、もう一度スイッチを入れてみた。しかし結果は変わらない。水はいつまでも冷たいままだった。


ケトルがどうして死んでしまったのかは、僕には分からない。
確かにこの1年間、僕はケトルに対してそれなりにハードな扱い方をしてきた。
デッキブラシで馬をこするような洗い方をしてきたし、電子レンジと併用して何度かブレーカーをすっ飛ばしたりもした。蓋を開けたままスイッチを入れたことだって度々ある。コンセントに足をかけて引っこ抜いたこともあった。
それでもこのケトルはヒヒンと鼻を鳴らすことは無いにしても、僕に手綱を引かれて静かについてきたのだ。

まず、僕は試しにブレーカーを確認してみた。それから、いつも使っているコンセントも確認する。いささか掃除が足りていないが、どちらも確かに通電している。オールオッケーだ。
次に、ケトルの台座のゴムの継ぎ目も目視でチェックしてみる。こちらは金具の形状も見なれないものだし、僕にはどうしようもない。
駄目元で、ケトルの表面を洗ってみる。新しいスポンジに水を染み込ませ、洗剤を少しつけて、音も立てず慎重に一定方向に撫で回していく。僕ができる限りの誠実さを持って…
もちろん、ケトルは以前死んだままだった。一連の確認作業は、ケトルからしたらある種の弔いの儀式だったのだろう。丁寧に洗われ、死化粧まで施されたような面持ちで、ケトルは台座の上で静かにその死を決定的なものとした。

いったいなにが悪かったのだろう?我々の穏やかな日々に何か致命的な問題があったのだろうか?
僕はため息をつく。そしてそれは冷蔵庫のコンプレッサーの耳障りな振動音にかき消されてしまう。
言うまでもなく、責任の所在を僕は初めから分かっていた。
やれやれ。結局のところ、これは僕自身の問題なのだ。


……そんなわけで、思いがけず電気ケトルを買うことになった。まだ一年しか使ってないのに。僕のティファール。

この手の無いとやっていけない類の家電を買うのって、本当に難しい。特に今回は愛着のないものだからなおさら。
同じものを買おうと思ったものの、突発的な出費としては少し悔しい。飲み会ができる。

ドリテックというメーカーのものがティファールの半額だったので、結局そちらを買うことにした。

 

 

DRETEC (ドリテック) 電気ケトル ラミン ホワイト PO-323WT

DRETEC (ドリテック) 電気ケトル ラミン ホワイト PO-323WT

 

 
さようなら、ティファール。そしてはじめましてドリテック。
電気ケトル=ティファールのイメージが強いだけに、なんだかまがい物みたいに見えてしまうが。ともあれ、これからよろしくね。
今度は大事に扱うからね。

そして、ティファールよ、安らかに眠れ。



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