そりゃまあ僕も

20代会社員、男。音楽、カメラ、時事ネタなどの雑記日記です

とてもつらい

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Nikon Dfを使い始めて半年経ったので、良い部分・悪い部分をまとめてみた。

Nikonのフルサイズ一眼レフ Dfを使い始めて半年が経った。
ニコンのDfと言えば、フィルムカメラを踏襲したボディにフラグシップ機のD4譲りのセンサーを搭載した、ニコンのカメラの中でも振り切った仕様のカメラ。
デジタル時代の写真体験に対して、ニコンが出した答えとも言える名機である。

OPG画像 Nikon Dfの外観



と、仰々しく語ってみたものの、僕のメインカメラはオリンパスのミラーレス。

僕にとってのDfは、初めてのニコン、初めての一眼レフである。
フルサイズだからこそ得られる描写に思わず唸ることもあれば、ノスタルジックな独特の仕様に困惑することも多い半年間だった。

 

そんなわけで、そろそろnikon Dfの良い部分、悪い部分が見えてきたので、それぞれを語っていきたい。

Nikon Dfのメリット

まずはニコンDfを選んで感じているメリットについて。

要約してしまえば、

  • 見た目が良くて
  • 撮影が楽しくて、
  • RAWがいじりやすい

の3つに尽きる。


官能的な操作感と撮影体験

なんといってもニコンDfを使っていて一番楽しいのは軍艦部に並んだダイヤルによる操作による撮影体験である。

Nikon Dfを手にもったとき



ボディ左側のダイヤルでISO感度を決め、右側のシャッタースピードダイヤル、レンズの絞り環で露出を探り、息を止めてシャッターを切る。

シャッターを切るまでの一連の作業が、Dfを使っているととにかく楽しくて仕方がない

それだけに、自ずとマニュアルモードでの撮影が多くなってくる。カメラ任せる部分が減る分、うまくいかないことも多いものの、失敗も含めて楽しくて仕方がない。

 

Dfと言えば、シャッター音の気持ちよさも特筆すべき点。
こればっかりはミラーレス機では絶対に体感できない。

一発ごとにカメラの中でミラーがよどみなく動いて、ボディから手に胎動のように伝わってくる。
まあその代わりにミラーショックもあるのだけど、甘んじて受け入れられるだけの魅力がこのカメラにはある。

見た目の良さ

 

見てくださいよ、このカッコよさ。メカニカルな軍幹部。
ただ飾って眺めているだけでも十分かっこいい。

 

出かけた先でも、ついついDfをスマホで撮ってしまう。ダンボーフィギュアのカメラ版ですね。


HUBとかでビールと一緒に撮影すると映える気がする。
もはやDfを撮るカメラを持ち歩きたくなるレベル

後ほどデメリットの部分で各パーツを写真つきで説明するつもりだけど、いかんせんやっぱりどこをどう撮ってもカッコいい

そういえば、夏ごろにDfをもって街中をふらふら歩いていると、
いかにもアーティストなおじさんに話しかけられた。

「お兄ちゃん、そのカメラええな?ニコンか?珍しいなー、若い子がフィルムなんて」
「これはニコンですが、Dfというデジタルカメラです。確かにフィルムカメラみたいですよね」

なんて、しばらく立ち話をしていた。
Dfは人と人をつなげてくれるカメラである。知らんけど。

抜群のダイナミックレンジとレタッチ耐性

これは流石にフルサイズというか、撮影したあとにlightroomでRAWを開いてみて本当にびっくりした。
ニコン Dfで撮影した写真は、アンダーな写真でも、RAWだとしっかりと階調の情報が残っていて、レタッチでどうとでもなってしまう。

例えばこちらの写真

露出補正を間違えた写真



明らかに、やっちまったな~っていうアンダーで、目をこらしても何が写ってるかよく見えないんだけど、こいつにlightroomでクイック現像すると…

露出補正を調整したクイック現像



普通に映ってるんですよね。これ、普通にすごくないですか。フルサイズってどれもこのくらいできるもんなのかな。
ヒストグラムと数値で見ると、露光量を+4.12など結構むちゃくちゃなことをやっている。
E-M1 MarkIIのセンサーはマイクロフォーサーズながらに優秀とは言うけれど、ここまでのことはできない。
さすがはフルサイズ、さすがはDfである。

lightroomでの補正数値



まあISO感度が1600を超えてくると、さすがにここまでのリカバーはできない。この猫の写真はピーカンで撮ってる最中に、茂みに猫を見つけて慌ててシャッターを切ったときの状態。
一眼レフは露出が難しいものの、これだけレタッチで絵が戻ってくるなら、多少ビビらないでシャッターを切りまくれる。

 

いや・・・まあ、ちゃんと落ち着いて、露出を見て撮れよっていう話なんだけどね。

 

撮影可能枚数の多さとスリープ復帰の早さ

Nikon Dfの撮影可能枚数はカタログスペックで約1400コマ

さすがに一眼レフはバッテリーの持ちがいい。今までミラーレスしか使ったことがない僕が一番びっくりしたところのひとつかもしれない。
ちなみにニコンの他のフルサイズ一眼レフはどうかというと、D750は約1230コマ、D850が約1840コマである。
これらの機種はいずれも画像処理エンジン・使用するバッテリーが違うので一概に比較はできないけど、ひとつのバッテリーで1000枚を超えてたら十分だ。
僕がメインで使っているミラーレスであるE-M1 MarkIIは通常使用時で約440枚なので、段違いである。

E-M1 MarkIIを持ち歩くときはバッテリーの消耗にとにかくビビってしまう。
満充電のバッテリー+予備バッテリーを常に2個はカバンに放り込んでいたものだけど、Dfに関してはそういう心配はあまりない。

ただし、Nikon Dfの場合でもライブビュー撮影を少しでも使うとバッテリーがガリガリと削れていく。
ニコンのバッテリーEN-EL14aはコンパクトで、Amazonなどで互換バッテリーを非常に安価に手に入れることができる。

 

バッテリー2個とチャージャーで2000円台なので、とにかく安い。
中国製なので耐久度が心配だが、今のところ特に爆発することもなく使えている。バッテリーの持ちは問題ないと思う(というか、そもそもDf自体の撮影可能枚数が多すぎて、予備バッテリーまで使う機会がほとんどない。)。
あと、純正のEN-EL14aが灰色なのに対して、こちらは黒なので、見分けやすいのも嬉しいポイントだ。

 

そうそう、一眼レフならではのメリットとして、スリープ状態からの復帰が早いこともある。
E-M1 MarkIIの場合スリープからの復帰で1秒以上待機するハメになるが、Nikon DFにはそれがない。
ファインダーを覗いて軽くシャッターを半押しにでもすれば即座にスリープから復帰してくれる。

立ち上がりが早いのはシャッターチャンスに強いということでもあること。ミラーレスではここにやきもきする点が多いので、本当に助かっている。
なお、シャッターチャンスをばっちりとらえた最高の写真は、今のところ撮れていない。これから撮る予定である。

  

ニコンの魅力的なレンズ群がだいたい使える

僕はレンズオタクじゃないので、ニコンのオールドレンズに詳しくない。
ただ、ニコン Dfの場合は、現行のAFレンズはもちろん、Aiレンズ、非Aiレンズと呼ばれるオールドレンズ群まで、Fマウントならだいたいのレンズを装着することができる。

Dfには露出計連動レバーなるものがついていて、昔のマニュアルレンズの場合でもこいつが露出の情報を伝えてくれるらしい。

Nikon Dfの露出計連動レバーの画像



写真中央、マウントのボディ側についている金属パーツが、レンズ側のカニ爪に連動してグリグリと動く。

 

装着可能なレンズ種類はニコンの公式ホームぺージがまとめてくれている。

だいたい使えるといっても、マニュアルフォーカスや測光モードなどには制約がある。
特に非Ai系のレンズを使う場合はレンズ情報を手動で設定する必要があったり、絞り情報をダイヤルで設定しないといけないなどの縛りプレイがあるらしい。幸か不幸か僕はまだ非Aiレンズに手を出してないので、このあたりはあいまいなのだけれど……

この非Aiレンズは、オークションなんかでアヤシイけど安いレンズを比較的容易に手に入れられることができるらしい。
中古カメラ店的には、値段を買い叩ける上にマニアが買ってくれるからおいしい位置なのかも。
とにかくいろいろなレンズを手元にそろえて遊ぶのも楽しそうである。
僕はまだ手を出さない。手を出したら戻ってこれない…



Nikon Dfのデメリット

以上がNikon Dfの使い勝手の良い部分であるが、クラシカルな見た目のとおりクセが多くてもう一歩使いにくいなあと思う点が多い。
発売から5年が経過していることもあって、最新の一眼レフ・ミラーレスに追い抜かれている点も多々ある。

 

操作性・グリップ感の悪さ

Nikon Dfを使い始めて半年経ったものの一番慣れない部分は、全体的な使いにくさ。もう、全体的としか言いようがないのだけど、絶妙に使いにくい

使えば使うほどに、このカメラはオールドレンズと単焦点でのんびりと撮るカメラであって、使い勝手とかそういうことを考えちゃダメなんだなあと思ってしまう。

小さすぎるグリップ

これはね、オールドカメラ風の見た目とのトレードオフだから仕方が無いんだけどさ!
グリップが小さいため、右手の中指~小指は第一関節のみを引っ掛けるような形になる。

Dfのグリップ感を上から



Dfのグリップ感を前から



おそらく前から撮った写真のほうがわかりやすいと思う。
指とカメラの間に中途半端に隙間ができてしまって、長時間持っていると指が疲れてきてしまう。

Dfはカメラ自体は軽い(約765g)のだけど、このグリップ力の無さのおかげでむしろ重たく感じるときが多い。
たぶん、大口径の重たい望遠レンズをつけるとカメラのバランスが崩れて非常に使いにくいだろう。


でもまあ、Dfは70-200mm F2.8をつけて運用するようなカメラではないので、目をつぶれる部分ではある。
おとなしく単焦点レンズをつけていればいい。

回しにくいサブコマンドダイヤル

カメラ前面についているサブコマンドダイヤルは、絞り環の無いレンズの絞りを割り当てて使用している。
これがまた回転方向のせいで、非常に回しにくい!

Dfのサブコマンドダイヤルの操作



写真では人差し指を添えているけど、普段はシャッターボタンに一刺し指を置いたまま、中指で操作することになる。
写真で見て反時計周り側に回すときは、指を曲げる運動なので指をダイヤルにひっかけやすいものの、逆側が回しにくい('A`) 


DレンズやAiレンズなら絞り環がついているため関係ないものの、一般的なAFレンズではどうしても使わなきゃいけないいちのダイヤルだけに、ちょっとめんどくさい。

 ISO感度ダイヤルのロック機構

ボディ左肩についているISO感度と露出補正ダイヤルには、それぞれロックボタンがついている。

Dfの左肩のダイヤル部分



左下のボタンがISO感度ダイヤルのロック、中央のボタンが露出補正のボタンになる。
で、何が使いにくいかって、これらのボタンを押しながらじゃないとダイヤルが回せないんですね。

DfのISOダイヤルの操作



ISOダイヤルを回す際の左手の指の位置はこんな感じになる。
このロックボタン、ボタンの機構か固めなので親指に食いこんで結構痛い。そして親指で押しながら人差し指で回すというこの指の形が、それぞれの指の関節に負荷がかかる。特に親指の第一関節が痛い。なんでこの位置なんだろう?

ファインダーを覗きながらの操作の場合は、親指の側面でロックボタンを抑える羽目になる。これもこれで痛い。
僕は左手親指が腱鞘炎気味なのでなおのことつらい。本当につらい。

もちろん、カメラ側の設定でISOオートを設定できるが、ニコンのカメラの場合はメニューから入っていかなければならないのでちょっとだけめんどくさい。
せめてロックボタンがもう少し押しやすかったらなあ……

カードスロットはバッテリー収納部兼用

Nikon Dfのカードスロットは、本体下部のバッテリー収納部にある。
これはもうちょっとなんとかならなかったのか

Nikon Dfのメモリーカードスロット



カードの抜き差しのたびにいちいち電池蓋を開けねばならないのが大変に煩わしい。
「電池とカードを同時に確認できるじゃん、ラッキー!」って感じなんだけど…
こういう機種なのでダブルスロットじゃないことは気にならない。ただ、カードスロットの位置は普通に横にしてほしかった。

ちなみにカードはLexarのクラス10 150MB/sを使っている。
RAW+jpegでの記録が中心で、書き込みの遅延は全く感じない。
低画素っていいですね。

 

 

2世代前のスペック(AFやシャッタースピード)

流石に発売から5年経っていることもあり、Nikon Dfの各機能は最新の一眼レフ・ミラーレス一眼と比較すると、見劣りする部分が多々ある。
Dfの新品価格は18万前後、中古でも15万前後であることを鑑みると、コストパフォーマンスは悪すぎると言える。
いや、コストパフォーマンスのカメラじゃないよ、繰り返すけども。

AF性能

これもミラーレスにずぶずぶに慣れてるからかもしれないけど、物足りないよ(´・ω・`)

Nikon DfのAFエリア


実質中央でしかピントを合わせられないなあという印象。
それ以外で使おうと思うとまあピントがよく迷う……一眼レフのピント合わせって難しいですね。

AF速度に関しては僕の持っているレンズ、

  • ニコン Ai AF Nikkor 85mm f/1.4D IF
  • タムロン SP AF 28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical 

のいずれもがAFが速くないレンズのため、なんとも言えない。
ただ、少なくともOM-D E-M1 MarkIIに12-40mm F2.8 をつけたときよりは遅い。

 

シャッタースピードは1/4000

Dfのシャッタースピードは1/4000まで。この価格帯のカメラなんだから、1/8000まで頑張ってほしかった。
青空の下でF1.4の単焦点を使うときなどは、ISO50(拡張ISO感度)まで下げても、露出オーバーするときがある。
僕は引きこもりがちなのでほとんど関係無いし、手ブレ補正無しの開放で撮るとぶれるから、別にいいんだけどさ!いいんだけどさ!

 

EXPEED3の色味

 ニコンDfの画像処理エンジンはEXPEED3、最新のEXPEED5の2世代前となる。
画像処理エンジンの違いは連写速度や書き込み、動画の処理などへの影響が主なものだと思うんだけど、ニコンの場合無視できないのが色味の違い。

いや、正直に言って、EXPEED3って黄色いんですよ。

詳しくはEXPEED3とEXPEED4を比較したこちらのコンテンツを見れば分かると思う。

で、比較するまでもなくデフォルトのピクチャーコントロールが黄色いので、ついぶつくさと文句を言ってしまう。

もちろん、jpeg撮って出しではなくRAWを使えば関係無いのだけど、液晶で見る撮って出しの画像は撮影するときのテンションに影響する。
もっとも、ニコンの場合はピクチャーコントロールやWBオートの設定を細かくいじれるので、撮って出しに文句を言いすぎるのも違う気がする。ハマるといかにもニコンという感じで大変魅力的ではある。

引き続き設定をいじりながら考えていきたい。

 

ライブビューがほとんど使えない

ニコンDfでライブビュー撮影をすると、とにかく電池の減りが速い!
前述の通り、ファインダー撮影時の電池持ちは十分である。普通に半日撮影する程度なら全く問題が無いし、充電を気にすることがずいぶん減った。
ただ、ライブビューを少しでも使うと一気に減る。体感で電池の減りが6割くらいになる。


また、ライブビューでのコントラストAFの効きもお世辞にも良いとは言えず、レリーズに若干のタイムラグがある。
このあたりはニコンの一眼レフに共通のデメリットではあるものの、ミラーレス上がりの赤ちゃんな僕には大変につらい。

もちろん、数世代前ということもありタッチパネルではない。
Dfのコンセプト上、当然ながらバリアングルはおろかチルトシフトもついていない。
さすがに2018年なので、これが一番つらいかもしれない。
もっとも、たとえ可動式液晶がついていたとしても、ニコンの一眼レフのライブビューはD850ですら頼りないのであまり救いにはならないけども……

 

フルサイズのレンズはデカいし高い

「いやフルサイズ使ってて何言ってんだバカじゃねえの?」って話だけど、やっぱりフルサイズのレンズってデカいですね。そして高いですね。

F2.8通しの大三元レンズはもちろん、ちょっとしたズームでもそこそこの値段がしてしまうため、AFレンズのラインナップを増やすことはほぼほぼ諦めている。
もっとも、Nikon Dfの最大のメリットはオールドレンズが自由自在に使えるところ。ここは、ヤフオクなどを駆使してなんとか手札を増やしていきたいところ。

まとめ:クラシカルでカッコいいが使いにくい

以上、Nikon Dfを半年間使ってきて感じた、メリットやデメリットを簡単に挙げてみた。

現行機とはいえ、実際に使ってみると発売が2013年ということもありさすがに古さを感じることが多い。
しかし、なんといっても撮影が楽しいカメラなので、最近はどこにいくにも頑張って持ち歩くようにしている。
オールドの50mm F1.4を装着して、適当に街を歩いてシャッターを切っているだけで、大変心地よい気持ちになれる。

後継機が待たれるNikon Dfだが、開発チームはすでに解散してしまったし、Nikon自体は今後一眼レフに合わせてミラーレスに注力していくとのことである。
Dfの後継機の噂はすっかり聞かなくなってしまったけれど、できればDfはミラーレス化することは無いと思いたい。Dfの良さはファインダーを覗いて、大きな音のシャッターを切ることにあるわけだから。

 

偉そうにだらだらと語ってきたけど、僕のマインドとしてはまだまだ初心者。
Dfを通じて、一眼レフの楽しさや基礎をみっちりと固めなおしたい。

 

そして今度は富士フイルムのXシリーズを買うんだ!

 

 

小学二年生の誕生日会と、いかにして僕がそれらに呼ばれなくなったか

小学生二年生の頃、友達の誕生日会に一度だけ呼んでもらったことがある。

 

 

 

僕とその友達はポケモンとビーダマンが大好きで、学校が終わったらどちらかの家に行き、コロコロコミックを読んだりビーダマンで遊んだり、ゲームをやっていた。

いかにも小学生の友達関係だった感じだった。誰かが新しいビーダマンを持っていたらみんながそれに虜になったし、新しいゲームがあったらそれに熱中した。コロコロコミックを早読みしたやつはヒーローだった。

僕はゲームを買ってもらえなかったから、友達にはビーダマンをやる相手として認識されているみたいだった。

ゲームができない僕なのに、友達は嫌な顔せず、ビーダマンで遊んでくれていた。

ビーダマンの実力は僕のほうが強かった。最新のファイティングフェニックスを買ってもらったばかりだったし、他のテレビゲームができないぶん練習していたからだ。

 


それでも、彼は嫌な顔せずにビーダマンに付き合ってくれた。そして、僕が知らないゲームも、遊ばせてくれた。

64の大乱闘スマッシュブラザーズシリーズやゴールデンアイ、自宅では握れないコントローラーの形に困惑しながらプレイしたものだった。

スマブラでは僕はいつもカービィかリンク、見た目で選んでよく負けていた。

ゲームが過熱してくると、ちょうどいいタイミングで友達のお姉さんがお菓子を出してくれる。

バームクーヘンだったり、ポテトチップスだったり。

それらを口に咥えたまま、置き去りになったコントローラーを眺め、戦闘再開を待ち望んだものだった。

ゲームに飽きたら、僕は秘密基地作りに向かった。秘密基地と言っても、対したものじゃない。住宅街の隅にある、貯水槽の裏手とか、公園の柵に蔦を巻きつけて蓋しただけの場所とか、そんな欠陥住宅ばかりだった。

 


まあなんにせよ、僕とその友達はよく遊んでくれたと思う。90年代のゲームに関して、僕がかろうじて持っている記憶は、すべてこのときのものだと思う。

 

 

 

そんな友達から、人生で初めてお誕生会に誘われた。

これは大変な名誉である。

この地域の小学生のローカルルールとして「お誕生会に招かれたら、プレゼントをあげる。それから、自分のお誕生会にはみんなを招き返さなきゃいけない」といったものがある。返礼によって親睦を深めていくのだ。これは一聴した限りでは大変に微笑ましい話である。

だけど、当の僕にとっては大問題だった。

 


ます、僕はその住宅街に4月に引っ越してきたばかりで、周りに友達はほとんどいなかった。

周りは裕福な専業主婦家庭が多く、多くのクラスメイトはそのまま帰宅していたが、僕の家は共働きで学童保育で預けられたままだった。

そんなわけで、僕はこれまでに他の人たちが招待されて行ったというお誕生日会に行ったことがなかった。

 


だから、どんなものを渡したら良いのかもわからない。近隣のモールに行くにしても親の車を出さざるを得ず、そんな時間がない、と一蹴されてしまった。

そうなるともうスーパーで買える食玩になってしまう。でもきっと、それじゃ納得してもらえないだろう。

 


最後までグズグズと僕は悩んでいた。

 

 

 

お誕生会の当日、他の級友たちはそうそうたるプレゼントを用意していた。

ポケモンカードのデッキ一式、64のコントローラー(これでプレイ人数が増える)、ポケモンの攻略本などなど。小学生の目から見たら、まさにお宝のようなものばかりだった。

 

 

 

「あのさ、他の人みたいに大したことないんだけど、お誕生おめでとう」

と言って、僕は小さな立方体の包み紙を手渡した。

中に入っていたのは僕がメインで使っていたファイティングフェニックスだった。子供の雑な扱いでボロボロのままの。

結局、新品を買う時間もお金も、当時うちの親にはなかった。忙しかったんだろう。

 


渡したときの一瞬困惑したような顔と、それを包み隠してすぐ笑ってくれたことだけが唯一の救いだった。

それからそのあと、増えたコントローラーを使ってみんなでスマブラをプレイしてその日はおしまいになった。スマブラは急激に人気を集めていて、みんながコントローラーを握りたがった。

あの日から彼とビーダマンで遊んだかは覚えていない。

 


「誕生日会に呼ばれたらお返しに誕生日会をしなくちゃいけない」と気づいたのは僕の誕生日がくる少し前だった。

親にそのことを話してみたが、どうも気乗りがしないようだった。仕事で疲れて忙しい土曜日が、ケーキやたべものの準備に潰され、何人もの子供監督する義務があり、挙句にプレゼント交換。プレゼント交換後にはいただいた親御さんにこちらが頭を下げることになる。

そういう手間を煩わしく感じた親によって、結局僕は誕生日会をすることはなかった。

 


僕は誕生日会をやらないんだ、と伝えたときの教室の白けた雰囲気をいまで覚えている。それは、僕がみんなの誕生日を祝う権利を失った瞬間でもあった。

 

 

 

以来、みんなはヒソヒソと僕抜きの誕生日の作戦会議をするようになった。

 


誰かの誕生日の日がくる、すると放課後にみんなが誰かの家に内緒で集まって大騒ぎをしている。

学童保育終わりの僕が18:00くらいにそんな家の前を通ると、一際大きな笑い声が聞こえるように感じた。

 

 

 

こんな話からどんな教訓を見出すべきなんだろう?子供の誕生会は心理戦?バカバカしい。

 


たぶん、僕はパーティの外で、大騒ぎに耳をすませる役回りの人なのだろう。

パーティには参加ができない。ドレスも正装すら持っていない。

そんな役回りを忠実に演じ続けた結果、今日に至るまで結婚式にすら呼ばれることはない。もちろん、任天堂ハードに積極的に手を出すこともなくなってしまった。

 


誰かの結婚式や誕生日と聞くと、僕はあのボロボロのファイティングフェニックスを思い出す。

彼は結局それを使ってくれたんだっけ?たぶんスマブラに夢中だったんだろうな。

彼はいま、何に夢中で生きているだろうか。

僕はそうだな、ビーダマンはもういいかな。